大田区蒲田の眼科|蒲田ルミタス眼科 白内障と近視のクリニック 〒144-0051東京都大田区西蒲田7-69-1 東急プラザ蒲田7F

網膜硝子体手術

健診や他院で「網膜が剥がれかけています」「黄斑にしわがあります」と言われ、不安なままこのページにたどり着いた方もいらっしゃると思います。網膜硝子体手術は、目の奥に起きた異常を、眼球の内側から直接治す手術です。名前は難しく聞こえますが、白目に開ける傷はごくわずかで、多くは日帰りまたは短期間の入院で行われます。
蒲田ルミタス眼科 白内障と近視のクリニックでは、検査と診断、手術後の診察を当院が担当し、手術そのものはグループの手術施設で行う連携体制をとっています。他院を一から探し直す必要はありません。
まずは目の状態を詳しく調べるところからで大丈夫です。手術を受けると決めていない段階でも、遠慮なくご相談ください。


日本眼科学会 認定眼科専門医  小林 一博
監修者 日本眼科学会 認定眼科専門医 小林 一博 KOBAYASHI KAZUHIRO

蒲田ルミタス眼科 白内障と近視のクリニックの執刀医。
東京大学医学部附属病院や虎の門病院等の基幹病院にて、高度な眼科手術の研鑽を積んだスペシャリスト。ICL認定医として近視矯正から多焦点レンズを用いた白内障手術まで、精密な手技を要する眼内レンズ治療を専門としています。
科学的根拠に基づく、正しい医療情報を発信しています。

目次 非表示

網膜硝子体手術とは

網膜硝子体手術は、眼球の内部を満たす硝子体(しょうしたい)を取り除き、網膜に生じた異常を目の中から治療する手術です。白目に開けた小さな穴から器具を入れて行うため、眼球を大きく切り開くことはありません。

網膜はごく薄い神経の膜です。そこに張りついた膜や硝子体を、ティッシュペーパーに貼りついたガムをそっと剥がすように扱います。手術用顕微鏡で拡大しながら、ミリ単位よりさらに細かい操作を積み重ねていきます。

手術の目的は、大きく次の4つに整理できます。

  • 出血や濁りを取り除き、光が網膜まで届く通り道を確保する
  • 網膜を引っぱっている硝子体や増殖膜を外し、けん引を解除する
  • 剥がれた網膜を元の位置に戻し、ガスなどで押さえて接着させる
  • 網膜の裂け目や病変にレーザーを照射し、悪化と再発を抑える

対象となる病気は、網膜剥離、黄斑前膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症による硝子体出血や増殖膜、網膜静脈閉塞症にともなう黄斑浮腫などです。麻酔は局所麻酔で行い、手術中も意識は保たれます。眠っている間に終わるわけではありませんが、痛みを我慢して受ける手術ではありません。

硝子体ってなに?

硝子体は、眼球の内側の大部分を占める透明でゼリー状の組織です。大部分が水分で、残りをコラーゲン線維とヒアルロン酸が形づくっています。眼球の内部を広く満たしており、その外側を包むように網膜が広がります。

はたらきは主に3つ知られています。ボールのような眼球の形を内側から支えること、外からの衝撃をやわらげるクッションになること、そして角膜と水晶体を通った光を網膜まで届ける通り道になることです。

ところが硝子体は加齢とともに縮み、後ろ側の網膜から離れていきます。この後部硝子体剥離が起こるとき、網膜が強く引っぱられて裂け目ができたり、血管が破れて出血したりします。飛蚊症が急に増えた、光が走って見えるといった症状の背景には、この変化が隠れています。

また、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症では、硝子体の中に出血や増殖膜が生じます。濁りが光をさえぎり、膜が網膜を引っぱることで見え方が悪くなります。

硝子体は取り除いても灌流液に置き換わり、目の機能に大きな支障は残りません。だからこそ、原因になっているときは思い切って除去する治療が成り立ちます。

手術方法について

網膜硝子体手術は、白目の部分から細い器具を差し入れ、濁った硝子体を取り除いていく手術です。傷口はごく小さいため、多くは縫合せずに自然に閉じます。

ここでは実際の進み方を3つの段階に分けて説明します。Step1では白目に小さな穴を開け、Step2で濁った硝子体や膜を取り除き、Step3では必要に応じて眼内をガスに置き換えます。病気の種類や網膜の状態により、Step2以降で行う処置は変わってきます。

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白目部分に小さな穴を3カ所開ける

はじめに目のまわりと結膜を消毒し、麻酔を行います。点眼麻酔に加え、白目の下に麻酔薬を注入するテノン嚢下麻酔を併用するのが一般的です。この2つを組み合わせることで、手術中の痛みを抑えられます。消毒から麻酔が効くまでの所要時間は、5分から10分程度が目安です。

麻酔が効いたら、黒目のふちから3〜4mmほど離れた白目に、1mm未満のごく小さな穴を3カ所開けます。水晶体や網膜を傷つけにくい位置を選んで作製します。それぞれ役割が決まっています。

  • 灌流ポート:眼球の形と圧を保つための灌流液を流し込む
  • 照明ポート:眼内を明るく照らすライトファイバーを差し込む
  • 器具ポート:硝子体カッターやピンセット、レーザープローブを出し入れする

穴にはトロカールという細い筒を差し込みます。器具を何度も入れ替えても眼圧が下がらず、網膜への負担を抑えられます。器具が細いため傷は自然に閉じ、抜糸が不要なことがほとんどです。

手術中に痛みや強い違和感があれば、その場でお伝えください。麻酔を追加しながので、我慢していただく必要はありません。

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濁った硝子体を切除し、膜を取り除く

硝子体カッターは、先端の小さな窓で硝子体を少しずつ切りながら吸引する器具です。網膜を引っぱらないよう、高速で細かく切りながら吸引していきます。取り除いた分は灌流液に置き換わり、眼球の形と圧は保たれたままです。

黄斑前膜や黄斑円孔では、網膜の表面に張った非常に薄い膜をピンセットでつまんで剥がします。肉眼では境目が分かりにくいため、染色液で膜を染め、境目を目で確認しながら少しずつ剥離していきます。

糖尿病網膜症では、網膜に固く癒着した増殖膜を切り離す操作が加わります。網膜に裂け目がある部分や、血管から血液や水分がもれている部分には、眼内レーザーを照射して固めます。網膜剥離の原因となる小さな穴が見つかったときや、虚血で新しい血管ができやすい部分が広がっているときにも追加します。麻酔が効いている状態で行いますので、レーザーを加えても痛みや手術時間が大きく増えることは少ないです。

執刀医 小林一博

執刀医 小林一博

処置の内容は病気ごとに違います。検査結果をもとに、何をどこまで行う予定かを手術前にご説明しますので、疑問はその場でお尋ねください。

網膜剥離・黄斑円孔等の疾患の場合

網膜剥離や黄斑円孔では、硝子体を取り除いたあと、眼内の灌流液を医療用ガスに入れ替えます。

ガスは水に溶けにくく、眼内では泡のかたまりとして上へ浮かびます。この浮き上がる力で網膜を眼球の壁側へ押しつけ、剥がれた網膜を元の位置に保ったまま接着させます。黄斑円孔では孔のふちを乾いた状態に保ち、閉鎖を助けるはたらきをします。

ガスが入っている間、視界は白くかすんだり、水面が揺れるような線が見えたりします。手術直後にほとんど見えなくても、異常ではありません。

ガスは少しずつ体に吸収されていきます。使用するガスによって吸収までの期間が異なりますので、当院では目安を診察時にご説明しています。量が減るにつれ、視界の上のほうから徐々に見えるようになります。

なお、眼内にガスが残っている期間は飛行機に乗れません。気圧が下がるとガスが膨張し、眼圧が急に上がるためです。うつむき姿勢の指示とあわせ、期間は一人ひとりにお伝えします。

網膜硝子体手術の注意点

手術を受ける前に知っておいていただきたい点をまとめます。以下は当院グループでの運用上の目安です。病気の種類と網膜の状態で内容は変わりますので、最終的な指示は診察時に確認させてください。

日帰りか入院か黄斑前膜など姿勢制限の軽い病気は日帰りで対応し、ガスを使う網膜剥離では数日の入院をおすすめします。入院となる場合はグループの実施院での入院となり、費用は日帰りの目安とは別に入院料がかかります。概算は診察時にお伝えします
手術時間当院グループでの目安はおおむね30分から1時間です。増殖膜が広い糖尿病網膜症では2時間近くかかることもあります
白内障の同時手術硝子体手術のあとは白内障が進みやすいため、中高年の方では水晶体の状態に応じて白内障手術を同時に行うことがあります
再手術の可能性網膜が再び剥がれた場合や膜が再発した場合には、追加の手術が必要になります
術後の姿勢ガスを使用した場合は姿勢制限があります(詳しくは次章でご説明します)
感染予防処方された点眼を欠かさず続け、目をこすらないでください。洗顔・洗髪の開始時期は診察で判断します
飛行機眼内にガスが残っている間は搭乗できません。標高の高い場所への移動も控えてください
視力が安定するまで見え方が落ち着くまで数か月かかり、歪みが残ることもあります
生活の再開デスクワークは数日から1週間、激しいスポーツ、飲酒、長期の旅行などは医師の許可が出てから

仕事の繁忙期や旅行の予定がある方は、日程を決める前にご相談ください。予定に合わせて手術日を調整できる場合もあります。

術後のうつむき姿勢について

眼内に入れたガスは軽いため、常に上へ浮かびます。治したい部分が上を向くように顔の向きを保つと、ガスがその場所を内側から押さえてくれます。

黄斑や網膜の後ろ側が対象になることが多く、そのため顔を下に向けたうつむき姿勢が必要になります。網膜剥離の位置によっては、横向きなど別の姿勢を指示する場合もあります。

姿勢の基本は、食事とトイレ、点眼のとき以外は顔を下に向けて過ごすことです。就寝中もうつ伏せ、または顔を下げた横向きで休んでいただきます。食事は顔を上げずに済むよう小分けにし、入浴は洗髪を控えて短時間で済ませてください。仕事や外出は姿勢を保てる期間が終わるまでお休みいただくのが安心です。うつむき用のクッションや、机に置いた台に額をのせる方法を使うと、首や腰の負担が軽くなります。補助具は市販品でも代用できますので、入手先も含めて術前にご案内します。

期間は病気と網膜の状態で異なります。黄斑円孔では術後1日から数日程度、網膜剥離では剥がれた位置に応じて1週間から2週間ほど続くこともあります。上のほうの網膜が剥がれている場合は、うつむきではなく横向きや仰向けの指示となることもあります。診察で網膜の付き具合を確認しながら、いつまで続けるかを個別にお伝えします。

姿勢が保てないと、ガスが目的の場所から外れてしまいます。網膜が再び剥がれたり、円孔が閉じずに再手術になったりする原因になります。せっかくの手術をいかすため、指示された期間は守っていただきたいところです。

執刀医 小林一博

執刀医 小林一博

首や腰に持病がある方、ご家族の介助が必要な方は、術前に遠慮なくお申し出ください。姿勢の取り方や補助具の使い方を一緒に考えます。

当院の網膜硝子体手術の特徴

当院は、検査・診断と術後の管理を担い、手術はグループの手術施設(実施院)で行う体制をとっています。役割は次の3つに分かれます。

  • 精密検査と診断、手術を受けるかどうかの判断:蒲田院
  • 手術当日:グループの手術施設(実施院)
  • 手術翌日以降の診察と点眼の管理:蒲田院

手術当日にお越しいただく実施院の名称・所在地・最寄駅、蒲田駅からの所要時間は、診察時にご案内し、当グループの施設案内ページでもご確認いただけます。他院あての紹介状を持って一から説明を受け直す手間はありません。通い慣れた場所で術前・術後を過ごせるため、通院の負担を抑えられます。

経験・実績豊富な執刀医

手術は、日本眼科学会認定の眼科専門医が担当します。網膜硝子体手術は対象となる病気の幅が広く、術中に見つかった所見への判断が結果を左右します。研鑽を積んだ専門医が、病状に合わせて術式と処置の範囲を選びます。

執刀を担当する医師は、蒲田院で撮影したOCT画像や眼底所見を事前に共有したうえで手術に臨みます。当日はじめて情報を確認するのではなく、検査の段階から方針をすり合わせています。

手術前には執刀医の診察を受けていただき、予定している処置、想定されるリスク、術後の姿勢制限を直接ご説明します。気になる点はその場でお尋ねください。

また、網膜剥離や糖尿病網膜症、黄斑の病気など、それぞれの疾患に応じた術式を選択できる体制を整えています。

DOCTOR 医師紹介

小林 一博
執刀医 小林 一博 KOBAYASHI KAZUHIRO 日本眼科学会認定専門医

蒲田ルミタス眼科 白内障と近視のクリニックの執刀医。
東京大学医学部附属病院や虎の門病院等の基幹病院にて、高度な眼科手術の研鑽を積んだスペシャリスト。ICL認定医として近視矯正から多焦点レンズを用いた白内障手術まで、精密な手技を要する眼内レンズ治療を専門としています。

  • 日本眼科学会認定専門医
  • 難病指定医
  • 視覚障害者用補装具適合判定医師
  • ボトックス認定医
  • ICL(眼内コンタクトレンズ)認定医

ご相談から手術・術後までの流れ

ご相談から手術、その後の通院までは6つのステップで進みます。

初診から手術までにかかる期間は、病気の緊急度で変わります。網膜剥離のように急ぐ場合は、検査当日に手術日を決めることもあります。次のステップで、それぞれの内容を詳しくご案内します。

ご予約
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ご予約

ご予約はWEB予約フォーム、またはお電話で受け付けています。「手術を受けるかどうかはまだ決めていないが、話だけ聞きたい」という段階でも構いません。まずは今の目の状態を知るところから始めましょう。

他院で撮影した検査結果や紹介状をお持ちの方は、あわせてご持参ください。診断の経過がわかると、当日の検査を絞り込めます。

初回の来院時にご用意いただくものは次のとおりです。

  • 健康保険証またはマイナ保険証
  • 現在使用中のメガネ、コンタクトレンズの度数がわかるもの
  • 服用中のお薬手帳(血液をサラサラにする薬がある方は必ずお知らせください)

コンタクトレンズを使用中の方は、検査の精度に影響するため、来院前に外してお越しください

精密検査(蒲田)
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精密検査(蒲田)

視力・眼圧・屈折検査に加え、手術の判断に必要な検査で目の奥の状態を詳しく調べます。中心となるのはOCT(光干渉断層計)で、網膜を断層として撮影し、黄斑のしわや円孔、むくみの有無をミクロン単位で確認します。

あわせて眼底カメラで網膜全体を記録し、硝子体出血で奥が見えないときは超音波検査を追加します。造影検査が必要になる場合は事前にご説明します。

眼底を隅々まで診るため、瞳を広げる散瞳薬を点眼します。点眼後は4〜5時間ほどまぶしさとピントの合いにくさが続きますので、お車やバイク、自転車での来院はお控えください。検査結果は当日その場でお見せしながらご説明します。

適応判断・ご説明(蒲田)
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適応判断・ご説明(蒲田)

検査結果がそろったら、蒲田の診察室で現在の目の状態をご説明します。手術が必要かどうか、必要であればどの術式が合うのかを、眼底写真やOCT画像をお見せしながらお伝えします。

費用の目安、起こりうるリスクや合併症、仕事・運転・入浴といった生活への影響まで、気になる点はその場で何でもご質問ください。ご家族に同席いただいても構いません。

この場で結論を出す必要はありません。判断材料を持ち帰り、ご自宅で相談してからお返事いただけます。

ただし網膜剥離や硝子体出血のように、進行が早く視力の回復に期限がある病気もあります。病状によっては早急な手術をおすすめすることがありますので、どのくらい時間の余裕があるのかも含めて率直にお話しします。

疑問が残る場合は、何度でも説明の機会を設けます。納得できないまま手術日を決めることのないよう、ご遠慮なくお伝えください。

手術日の決定
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手術日の決定

手術を受けると決まりましたら、グループの実施院と調整して手術日を決めます。日程の候補はこちらでお調べしますので、ご自身で別の病院に電話をかけて予約を取り直す手間はありません。お仕事や介護のご都合、送り迎えができるご家族の予定に合わせて調整します。

蒲田で行った検査データと治療方針は、そのままグループ内で実施院へ引き継がれます。OCT画像や眼底写真、これまでの経過や内服中のお薬の情報も含めて共有しますので、同じ検査を受け直す必要はありません。

手術前に中止していただく薬がある場合や、内科の主治医への確認が必要な場合も、蒲田側で段取りを進めます。血液をサラサラにするお薬などは、中止の可否と時期を主治医と相談したうえでお伝えします。当日までにご準備いただくことは、書面にまとめてお渡しします。

手術(グループ実施院)
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手術(グループ実施院)

手術当日は、硝子体手術の経験を積んだ医師が担当します。顕微鏡や硝子体カッターなど必要な設備が整った手術室で、清潔管理を徹底した環境のもと行います。

多くの場合は局所麻酔で、手術時間の目安は30分から1時間ほどです。網膜剥離や増殖糖尿病網膜症など、網膜の状態が複雑なケースではさらに時間がかかります。病状によって日帰りで受けられるか、入院して経過を見るほうが安全かが変わりますので、事前の説明時にお伝えします。

受付の場所、到着時刻、食事や内服の扱い、当日の服装や付き添いの要否は、すべて蒲田での診察時に説明し、書面でもお渡しします。初めて訪れる建物でも迷わずたどり着けるよう、経路や目印もあわせてご案内します。不安な点は前日までお電話でお受けします。

術後の診察(蒲田)
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術後の診察(蒲田)

手術が終わった後の診察は、通い慣れた蒲田ルミタス眼科で続けていただけます。硝子体手術は、白内障手術に比べて術後の通院回数が多くなる治療です。

通院は手術翌日、その後は1週間ほどの間隔で数回続きます。経過が安定してからは2週間から1か月ごととなり、徐々に間隔を広げていきます。網膜の状態や眼内に入れたガスの吸収具合によっては、しばらく短い間隔での受診が続きます。全体としては数か月単位でお付き合いいただく治療とお考えください。

通院回数が多くなるため、JR蒲田駅からすぐの当院で診察を受けられることが、そのまま通いやすさにつながります。診察では視力や眼圧のほか、OCTで網膜の断層像を確認し、むくみや膜の再発がないかを追っていきます。見え方の変化や痛みが出たときは、予約日を待たずにご連絡ください。

CONTACT お問い合わせ

気になる症状は、我慢せずご相談ください。
ご予約・お問い合わせはWEBまたはお電話にて承っております。

硝子体手術の対応疾患

硝子体手術は、眼球の内側を満たすゼリー状の硝子体を取り除き、網膜そのものに手を加える治療です。網膜の病気は種類によって手術の目的が変わり、出血を除く場合もあれば、膜をはがして網膜を元の形に戻す場合もあります。当院で診断・術後管理を行い、グループの手術施設で手術に対応している代表的な8つの病気について、成り立ちと手術の位置づけをご説明します。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、腎症・神経障害と並ぶ糖尿病の三大合併症のひとつです。高血糖の状態が続くと、網膜に張りめぐらされた細い血管が傷み、詰まったり血液の成分がにじみ出たりします。

初期は自覚症状がほとんどなく、健診や眼科の眼底検査ではじめて指摘される方が多くみられます。進行すると酸素不足を補おうとして、新生血管という脆い血管が伸びてきます。この血管が破れると硝子体出血が起こり、視界が急にかすんだり黒い影で覆われたりします。さらに増殖膜が網膜を引っ張ると、牽引性網膜剥離に至ります。

硝子体手術では、濁った硝子体と増殖膜を取り除き、網膜への牽引を解除します。必要に応じて眼内でレーザーを追加し、再出血を抑えます。ここまで進む前に食い止めるには、血糖コントロールと定期的な眼底検査の継続が欠かせません。糖尿病と診断されている方は、症状がなくても年に一度は眼底を確認してください。

黄斑浮腫(おうはんふしゅ)

黄斑は網膜の中心にあり、文字を読む・人の顔を見分けるといった細かな視機能を担う場所です。黄斑浮腫は、血管から漏れ出た水分がこの黄斑にたまり、網膜がむくんだ状態を指します。

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎などが背景にあります。症状は中心のぼやけ、文字のゆがみ、色の見え方の変化などです。片目ずつ確かめると、左右差に気づく方もいらっしゃいます。

まず行うのは、硝子体内注射です。むくみの原因となる物質のはたらきをおさえる抗VEGF薬を、点眼麻酔をしたうえで細い針で目の中に注入します。炎症をしずめるステロイドの注射やレーザー治療を選ぶこともあります。

薬による治療を重ねてもむくみが引かない場合や、硝子体が黄斑を引っ張って浮腫を招いている場合に硝子体手術を検討します。手術では硝子体と、必要に応じて網膜表面の膜を取り除き、牽引を解いてむくみが引きやすい状態に整えます。

黄斑前膜(黄斑上膜)

黄斑前膜は、黄斑の表面に薄い膜が張る病気で、黄斑上膜とも呼ばれます。膜そのものは透明に近いのですが、時間をかけて縮むため、下にある網膜にしわを寄せて引っ張ります。

主な原因は加齢による硝子体の変化です。年齢とともに硝子体が網膜からはがれる際、網膜表面に細胞が残り、それが増えて膜になります。50歳以上の方に多く、網膜剥離やぶどう膜炎の後に生じることもあります。

症状は物のゆがみ、中心部のかすみ、左右で物の大きさが違って見えるといった変化です。進行はゆるやかで、失明に至ることはほとんどありません。そのため軽度であれば経過観察を選びます。

ゆがみが日常生活の妨げになったり、視力の低下が進んだりした段階で硝子体手術を行います。硝子体を取り除いたうえで、ピンセット状の器具を使って膜を丁寧にはがします。手術で膜を取ると網膜の形は整いますが、ゆがみの改善には数か月かかると考えてください。

黄斑円孔(おうはんえんこう)

黄斑円孔は、網膜の中心である黄斑に穴があく病気です。視野の中心がぼやけ、見たいところがちょうど見えにくくなります。

原因の多くは加齢に伴う硝子体の変化です。硝子体が縮んで網膜からはがれるとき、黄斑部だけが強く引っ張られ、網膜が裂けて穴になります。中高年に多くみられます。強度近視や眼の打撲がきっかけになることもあります。

初期はゆがみや中心のかすみとして現れ、穴が広がるにつれて中心部が黒く抜けたように感じられます。自然にふさがる例はまれで、放置すると視力の回復が難しくなります。そのため多くのケースで手術が必要になります。

硝子体手術では、まず黄斑を引っ張っている硝子体を取り除きます。続いて、網膜のいちばん内側を覆う薄い膜(内境界膜)を、穴の周囲がゆるんで閉じやすくなるようにはがし、眼内をガスに置き換えます。ガスが穴を内側から押し当てることで閉鎖を促す仕組みです。術後は一定期間うつむき姿勢を保っていただきます。姿勢の保ち方は、術前に具体的な方法をお伝えします。

硝子体手術の対応疾患の網膜剥離

網膜剥離は、網膜がその下の組織からはがれ、光を感じ取れなくなる病気です。もっとも多いのは、網膜に穴や裂け目ができて水が入り込む裂孔原性網膜剥離です。

背景にあるのは加齢による硝子体の収縮です。硝子体が網膜を引っ張って裂孔をつくります。強度近視の方は網膜が薄く伸びているため若い年代でも起こり、ボールや転倒による眼の外傷が引き金になる場合もあります。

前ぶれとして、飛蚊症が急に増える、光が走るように見える光視症といった変化が現れます。剥離が広がると、視野の一部がカーテンで覆われたように欠けていきます。黄斑まで及ぶと視力が大きく下がります。

放置すれば失明につながるため、早期の診断と手術が必要です。硝子体手術で硝子体を除去して牽引を解き、裂孔の周囲をレーザーで固め、ガスや空気で網膜を押さえて復位させます。症状に心当たりがあれば、その日のうちに受診してください。

硝子体出血

硝子体は本来、血管を持たない透明なゼリー状の組織です。硝子体出血は、そこへ血液が流れ込んで濁り、光が網膜まで届かなくなった状態を指します。

出血量が少ないうちは、すすけたような飛蚊症や薄いかすみとして自覚されます。量が増えると視界全体が赤黒くなり、急激に見えにくくなります。痛みを伴わないため、片目に起きると気づくのが遅れがちです。

原因として多いのは糖尿病網膜症の新生血管からの出血で、網膜裂孔や網膜静脈閉塞症、外傷でも起こります。少量であれば自然に吸収されるのを待ちますが、吸収されない場合や、奥に網膜剥離が隠れている疑いがある場合には硝子体手術を行います。手術で濁りを除くと眼底の状態を確認でき、原因への治療も同時に進められます。

硝子体混濁

硝子体混濁は、透明なはずの硝子体が濁り、光がまっすぐ網膜に届かなくなる状態です。濁りの影が網膜に映るため、見え方に変化が出ます。

代表的な症状は飛蚊症とかすみです。黒い点や糸くず、もやのようなものが視線を追って動きます。濁りが濃くなると、全体に霧がかかったように感じられます。

原因はさまざまで、加齢による硝子体の変性、ぶどう膜炎などの炎症細胞、出血の残り、強度近視に伴う変化が挙げられます。まれに眼内リンパ腫が隠れていることもあり、原因を見極める検査が先になります。

炎症が原因であれば点眼や内服で治療し、生理的な飛蚊症は経過観察で問題ありません。濁りが濃く、日常生活や仕事に支障が出ている場合に硝子体手術で濁った硝子体を取り除きます。

眼内レンズ脱臼

眼内レンズ脱臼は、白内障手術で挿入した眼内レンズが、本来の位置からずれたり眼底側へ落ち込んだりした状態です。手術から10年以上たってから起こることもあります。

白内障手術で入れたレンズは、水晶体を包んでいた薄い袋(水晶体嚢)に納めます。この袋を支える細い糸のような組織(チン氏帯)がゆるむと、レンズが位置を保てなくなります。加齢のほか、目の中に細かい粉のような物質がたまる病気(落屑症候群)、強度近視、アトピー性皮膚炎、目を強くぶつけた既往などが関係します。

症状は急なぼやけ、物が二重に見える、視線を動かすと見え方が揺れるといった変化です。ずれが大きいと、ピントが合わない状態が続きます。

治療は硝子体手術で行います。硝子体を除去してから、ずれたレンズを摘出、または位置を整えて強膜や虹彩に縫い付けて固定します。眼内炎や網膜剥離を防ぐうえでも、見え方の異変に気づいた時点で早めにご相談ください。

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気になる症状は、我慢せずご相談ください。
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手術後に起こりうる合併症について

硝子体手術は網膜の病気に有効な治療ですが、眼球の内部を扱う手術である以上、合併症が起こる可能性をゼロにはできません。当院では起こりうる事柄を手術前に包み隠さずお伝えし、そのうえで受けるかどうかを一緒に考えます。代表的な5つについて、どのような変化が起きるのか、どう対処するのかをご説明します。

出血

網膜硝子体手術では眼内の血管や増殖した組織を扱うため、手術中に出血が生じることがあります。術後しばらくしてから眼内に血がにじみ、視界が赤みを帯びて暗く感じられることもあります。

少量の出血は時間の経過とともに自然に吸収され、濁りは徐々に薄れていきます。吸収までの期間は数週間から数か月と幅があり、診察と検査で経過を追いかけます。

出血量が多いときや、なかなか吸収されないときには、眼内を洗浄する再手術や、原因となる網膜の血管に対するレーザー治療を追加します。糖尿病網膜症のように血管の病変がある目では、出血が起こりやすい傾向が知られています。術後に急に見え方が暗くなった、黒い影が増えたと感じたら、次の予約を待たずにご連絡ください。

手術後に起こりうる合併症についての網膜剥離

硝子体を切除する際の網膜への牽引が引き金となり、網膜に小さな穴(裂孔)があくことがあります。穴から水分が入り込むと網膜がはがれ、術後の網膜剥離につながります。

手術中に裂孔が見つかった場合は、その場でレーザーや冷凍凝固によって穴の周囲を固め、剥離に進まないように処置します。術後に剥離が起きたときは、ガスやシリコーンオイルを用いた再手術で網膜を元の位置に戻します。

注意していただきたいのは、見えにくい範囲が急に広がる、視野の一部にカーテンがかかったように暗くなる、暗い場所で光がちらつくといった変化です。こうした症状に気づいたら、早めに受診してください。早い段階で対応できれば、視力への影響を小さく抑えられます。

角膜障害

角膜は黒目の表面を覆う透明な組織で、手術器具の出入りや灌流液の刺激を受けやすい部分です。術後に角膜がむくんだり、表面に細かい傷がついたりすると、ゴロゴロとした異物感や痛み、まぶしさが出てきます。

見え方が白くかすみ、一時的に視力が下がることもあります。多くは点眼と保護によって数日から数週間で落ち着き、角膜の透明性は回復します。

ただし、糖尿病をお持ちの方や、もともと角膜内皮細胞の数が少ない方では、回復までに時間がかかります。処方された点眼を自己判断で中断せず、決められた回数を守って続けてください。異物感が強いときや、かすみが改善しないときは、遠慮なくご相談ください。

緑内障

手術後は、眼内に注入したガスや炎症に伴う反応の影響で、眼圧が一時的に高くなることがあります。眼圧が上がると、目の奥の痛みや頭の重さ、かすみを感じます。

多くは点眼薬や内服薬で数日から数週間のうちに落ち着き、そのまま元の眼圧に戻ります。一方、糖尿病網膜症が進行した目では、虹彩や隅角(目の中を循環する水である房水の出口)に新しい血管が生えることがあります。この血管が房水の排出を妨げ、血管新生緑内障を起こします。この場合は注意深い経過観察が欠かせません。

薬で眼圧をコントロールできないときには、房水の流れ道をつくる緑内障手術を追加します。眼圧の変化はご自身では気づきにくいため、術後の定期検査で毎回測定し、変化を早い段階でとらえます。

感染症

眼内に細菌が入り込んで強い炎症を起こす術後眼内炎は、硝子体手術の合併症のなかでも頻度が非常に低いものです。ただし、発症すると視機能への影響が大きく、速やかな治療を要します。

手術では器具と目の周囲を厳重に消毒し、術前術後には抗菌薬の点眼を使って発症の予防に努めます。ご自宅では、目をこすらない、清潔な手で点眼する、許可が出るまで洗顔や洗髪の方法を守るといった注意をお願いします。

手術の翌日から数日のうちに、急激な視力低下、強い痛み、白目の強い充血、目やにの急増といった変化が出ることがあります。気づいたらすぐに当院へご連絡ください。その後は指示に従って受診してください。

網膜硝子体手術の費用

網膜硝子体手術は公的医療保険の対象となる手術です。窓口でお支払いいただく金額は、加入されている保険の自己負担割合と、手術で行う処置の内容によって変わります。

ここでは、日帰りで手術を受けていただいた場合の片眼あたりの目安をご案内します。白内障手術を同時に行うか、眼内にガスやシリコーンオイルを注入するか、レーザー治療を併用するかによって金額に幅が出ます。

網膜剥離などで入院を伴う場合は、手術費に入院料や食事代が加わります。多くの場合は次章でご説明する高額療養費制度の上限額が目安となりますので、あわせてご確認ください。

検査代やお薬代は別に必要となりますので、実際のご負担額は診察の際に個別にご説明します。費用面で気がかりな点があれば、遠慮なくお尋ねください。

費用表 ※日帰り手術の場合の目安

自己負担割合手術費用の目安(片眼・税込)
1割負担約35,000〜60,000円
3割負担約100,000〜180,000円

上記は2024年度診療報酬点数に基づく、グループ手術施設(実施院)での算定目安です。蒲田院で行う検査料・薬剤料は別途かかります。白内障手術を同時に行う場合や、使用する眼内充填物・材料、追加のレーザー治療の有無によって金額は変動します。

手術費用を抑えたい方へ

医療費の自己負担が高額になったとき、公的医療保険には1か月あたりの上限額を超えた分が払い戻される高額療養費制度があります。上限額は年齢と所得区分で決まり、70歳未満か70歳以上かでも計算方法が異なります。

払い戻しは申請後に行われるため、いったん窓口で全額をお支払いいただく形になります。そこで役立つのが限度額適用認定証です。加入している健康保険組合や協会けんぽ、お住まいの市区町村の窓口へ事前に申請し、交付された認定証を受付でご提示ください。窓口でのお支払いが自己負担の上限額までにとどまり、まとまった金額を立て替える必要がなくなります。

マイナンバーカードを健康保険証として利用できる医療機関では、オンライン資格確認で限度額情報を確認できます。この場合は認定証がなくても同じ取り扱いになります。

同じ月に両眼の手術を行うか、月をまたぐかで合計額の考え方も変わります。手術の日程を決める段階でご相談いただければ、費用の見通しを一緒に確認します。

よくあるご質問

手術をどこで受けるのか、術後はどこに通うのかなど、連携体制についていただくご質問をまとめました。

手術は蒲田のクリニックで受けられますか?

当院では、詳しい検査と診断、治療方針のご説明、そして術後の経過観察を担当します。網膜硝子体手術そのものは、設備と体制の整ったグループの手術施設(実施院)で受けていただきます。検査データと治療方針はグループ内で共有されるため、紹介状を持って一から受診し直す必要はありません。場所や手術の進め方は、診察の際に具体的にお伝えします。

紹介状は必要ですか?

初めて受診される際に紹介状がなくても、検査から診療を始められます。他院で網膜や硝子体の病気を指摘されている方は、これまでの検査結果や診療情報提供書をお持ちいただけると、経過の把握がスムーズになります。お薬手帳も併せてご持参ください。

手術後はどちらに通院しますか?

手術翌日以降の診察は、当院(蒲田)で行います。点眼の管理や経過観察も当院で継続し、必要に応じて手術施設と情報を共有しながら診療を進めます。入院された場合は、退院までの診察を手術施設で行い、退院後は当院での通院に移ります。

手術までにどのくらい待ちますか?

病状によって優先度が変わります。網膜剥離のように急いで処置を要する状態であれば、当日から数日以内の対応となるようグループの手術施設と調整します。緊急性が高くない場合は、ご都合を伺ったうえで日程を組みます。

他院で手術を受けた後の診察だけをお願いできますか?

承ります。手術を受けた施設からの診療情報をもとに、眼底検査や光干渉断層計(OCT)で網膜の状態を確認していきます。再発や合併症の兆しがあれば、あらためて手術施設と連携して対応します。

白内障手術と同時に受けることはできますか?

硝子体手術の後は白内障が進みやすいため、年齢や水晶体の状態によっては同時に行う判断をします。適応は検査結果を踏まえて決めますので、診察の際にご希望をお聞かせください。

参考文献・関連情報

記事の執筆・監修者プロフィール

理事長  小林 一博

理事長 小林 一博

  • 日本眼科学会認定専門医
  • 難病指定医
  • 視覚障害者用補装具適合判定医師
  • ボトックス認定医
  • ICL(眼内コンタクトレンズ)認定医
蒲田ルミタス眼科 白内障と近視のクリニックの執刀医。
東京大学医学部附属病院や虎の門病院等の基幹病院にて、高度な眼科手術の研鑽を積んだスペシャリスト。ICL認定医として近視矯正から多焦点レンズを用いた白内障手術まで、精密な手技を要する眼内レンズ治療を専門としています。
科学的根拠に基づく、正しい医療情報を発信しています。

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